就活

2022年2月27日

【連載】長期インターンのすすめ ②物流革命・山中彰人さん(文Ⅰ・2年)

 

 2020年の内閣府委託調査によれば、就活をした大学4年生のインターン経験率は全国で79%だが、参加時期は3年生に集中している。一方で、早期から長期インターンを始める人もいる。さまざまな分野の長期インターン経験者5人に取材し、その実態を聞いた。(構成・丸山莉歩)

 

東大にいるだけでは見えない景色

山中彰人さん(文Ⅰ・2年)の場合

 

友人と立ち会った六本木付近のイルミネーション(写真は山中さん提供)

 

 山中さんは、物流ネットワークの設計や倉庫利用の最適化など、物流のコンサルティングを行う企業である物流革命で、1年近くにわたる長期インターンをしている。社長の付き人から始まり、業務内容の効率化などに携わってきた。グループ企業には、農産物の流通に携わる農業流通支援をはじめとする3社があり、山中さんは農業流通支援の事業の一部を担うなど、グループ企業の社員と働くこともある。

 

 山中さんは物流革命で裁量権を与えられたため、実際に社会で働くイメージが湧いたと感じている。長期インターンに参加する以前は大企業への就職についてあまり目を向けてこなかったが、日本の大企業や中小企業がどのように回っているのかをつぶさに見たことで、現実の社会では大企業が力を持っており、その中で若手時代にスキルを学ぶことも選択肢の一つだと、就活への考えが変化した。

 

 長期インターンに参加したのは1年生の2月。11月に入会したサークル・東大金融研究会で、物流革命での長期インターンを勧められたのがきっかけだった。東大金融研究会は、アナリストといった各分野で活躍している人を招いた講演会、そしてインターンのあっせんを行っている。サークル・東大むら塾にも参加するなど、地方や農家の支援に関心があった山中さんは、物流革命の事業は都市と地方を媒介するもので、地方や農家に関わる業界を知る機会だと考え、同社の長期インターンに参加した。

 

 長期インターンに興味のある人へ「東大にいるだけではできない経験」の大切さを強調する。「物流革命の場合は中小企業なので、社長と社員の距離が近く、リアルな経営を間近で見られます」と語る。「Excelでデータを地道に入力するなど、泥臭い実物大の現場を知ることができます。そして、普段の学生生活では会えないような官僚や有名企業の社員と会うこともでき、その経験が就活の面接で物おじせずに面接官と話す力につながるかもしれません」とさまざまな経験を得られる長期インターンの魅力を力説した。

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