教養

2022年11月28日

教員の書籍を著者自らがご紹介! UTokyo BiblioPlaza を知っていますか?

 

 

 「UTokyo BiblioPlaza」を知っているだろうか。人文社会科学分野を中心とする東大教員の著作を、著者自らが執筆した紹介文とともに案内するサイトだ。1000冊以上の書籍が登録され、人文知を広げる助けとなる同サイト。運営担当の東大研究推進部学術振興企画課の半澤順子さんにサイトの目的や特徴、今後の広がりを聞いた。(取材・葉いずみ)

 

オリジナルな情報発信で、東大人文知の厚みと広がりを伝える

 

──UTokyo BiblioPlaza開設の経緯と目的は

 

 2017年に開設された本サイトは、2016年に設置された「人文社会科学振興ワーキング・グループ」が企画立案した人文社会科学分野研究振興事業の一つで、1,280件の書籍が登録されています(2022年10月3日時点)。

 

 開設の目的は主に二つ。一つはサイトを通し本学教員の研究業績を可視化して人文社会科学分野での東大の存在感を高めることです。研究成果の発信形態は論文だけでなく書籍や展示などさまざま。本サイトに教員の書籍情報が集まることは、一般書や翻訳書などの書籍での発信が多い人文社会科学研究において意義があります。

 

 もう一つは専門領域を選択前の前期教養課程の学生や、人文知に関心を抱く学内外・国内外の人々に、本学の知の蓄積と広がりを伝えることです。教員に解説文の執筆を依頼する際、前期教養課程の学生にも分かりやすいように書くようお願いしています。また留学生などを対象に英語版のサイトも設けています。

 

UTokyo BiblioPlaza のトップ画面

 

──他の書籍紹介サイトと差別化している点は何ですか

 

 著者自身の言葉で書かれた解説文には、出版社の編集者も知らなかった話などもあり、この点が本サイト独自の特徴だといえます。週に5〜10冊更新しているので、サイト閲覧が日課の人もいるようです。

 

 また書籍関連情報の豊富さも特徴的です。東大OPAC(東大のオンライン蔵書目録データサービス)のリンクやMaruzen eBook Library(学術書籍に特化した機関向け電子書籍配信サービス)のリンク、書籍の受賞情報、書評、インタビュー記事やアーカイブ動画などもまとめて掲載しています。個人ホームページを所有していない教員にも好評です。本サイトは新刊紹介サイトではなく、数年前に刊行された書籍を改めて紹介することも多いので、宣伝になる点も出版社に喜ばれています。

 

──サイト開設でどのような影響がありましたか

 

 教員の書籍に関心を持った読者が現物を手に取る機会が増えました。本郷・駒場の生協書籍部と図書館には、本サイトで紹介された書籍が置かれる特設コーナーがあります。特に総合図書館3階ホールでは「UTokyo Faculty Works」という大きな本棚で紹介されています。

 

総合図書館3階ホールに設置されている「UTokyo Faculty Works」(写真は東大研究推進部学術振興企画課提供)

 

 2018年からTwitterで新着情報を発信するようになってからは学外の反応もたくさん頂き、情報を求める人に本の存在が届き始めていると感じています。徐々に閲覧数が増えてきていた2020年の春、新型コロナウイルス感染拡大防止のために外出自粛をして自宅で読書する人が増えたのか、アクセス数が急増しました。Twitterで「本屋をぶらぶら出来ないご時世だから、このようなサイトで本屋巡りをしているような体験が出来てうれしい」という声を見て喜んだことを覚えています。

 

──読者にはどのようにサイトを活用してほしいですか

 

 目的の本にたどり着いたあとは、書店のようにぶらぶらとサイトを巡り歩き、予想もしない本に出会ってほしいです。そのためにサイトには関連書籍や、ユーザーアクセス履歴を基におすすめ本を表示する機能もあります。

 

文系だけでなく理系・若手も 掲載書籍はますます広がる

 

──サイト内には「若手研究者による著作物」コーナーもあります

 

 若手研究者による自著の紹介文も掲載しています。これらの書籍は、本学博士課程の教育を受けて学位を取った若手研究者の書籍刊行を助成する「東京大学学術成果刊行助成制度」のもとで出版されたものです。2001年に開始したこの制度は本学の教育研究活動成果の普及促進が目的であり、2020年から本サイトでも書籍を取り上げることで若手研究者のさらなる研究振興と成果発信を図っています。

 

──理系分野著作の掲載は比較的少ないですが、今後増える予定はありますか

 

 2016年度のサイト開設時には、法学政治学・人文社会系・経済学・総合文化各研究科と、情報学環、史料編纂(へんさん)所、東洋文化・社会科学・生産技術各研究所から掲載候補書籍の推薦を得て始まりました。

 

 人文社会科学分野ないしその隣接分野を専門とする教員は文系部局以外にも所属していることを受け、2018年度から新たな理系部局や附属図書館、全学センターなどにも書籍推薦依頼対象を広げ、より多様な部局から推薦を受けるようになりました。

 

 結果2020年度は27部局、2021年度は30部局と着実に対象部局は広がっており、全学的な規模で書籍紹介・情報発信をする場に成長しています。それに伴い理系分野の著作は増えていますが、より一層の増加のためには各部局長からの理系分野書籍の推薦が必要となります。

 

半澤順子(はんざわ・ じゅんこ) さん

東京大学研究推進部学術振興企画課 企画調整チーム所属。2016年からUTokyo BiblioPlazaの運営に携わる。

 

UTokyo BiblioPlaza のホームページはこちら

https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/index.html

 

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