STUDENT

2023年6月28日

【キャンパスのひと】化学から民俗学へ 「おもしろい」が原動力に

 

 偶然手に取った本をきっかけに化学に興味を持ち始め、数年後には出身の中国で化学オリンピック7位を取る。入試免除で北京大学理学部に入学した。しかし大学での生活は想像と異なり、朝から晩まで実験に追われる多忙なものだった。学ぶ環境を大きく変えたいと修士課程で京都大学への留学を決意した。

 

 化学への関心が弱まり、博士課程では理系より自由に研究が進められる文系、その中でも民俗学を専攻することに。故郷の福建省には寺院や祭りが多くあり、幼い頃から民間信仰は身近な存在だった。研究を進めるうちに、堕胎胎児の供養のために建立された水子地蔵に興味が移り、なぜ日本特有の水子地蔵が横浜の中国人墓地にあるのかを研究した。現在は東大で研究を続けている。

 

 「水子地蔵は掘り下げると次から次へと新しいことが出てくるので興味深いです」。日常に転がる対象を見つめ直し、省み、新たな問題を発見する。そこに民俗学の魅力があるのだろう。【結】

koushi-thumb-300xauto-242

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit

   
           
                             
TOPに戻る