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2023年10月30日

【東大ガールズハッカソン2023】アイデアソンレポート 思い出を軸にアイデア立案

 東京大学新聞社は9月8日 、「東大ガールズハッカソン2023」の幕開けであるアイデアソンをSHIMOKITA COLLEGE (世田谷区) で開催した。その様子をレポートする。(取材・板橋一真)

 

 「東大ガールズハッカソン」とは、東京大学新聞社が主催するプログラミングイベントで、女性の学生を対象としている 。2023年版の『男女共同参画白書』によれば、理学・工学分野の女子学部学生比率はそれぞれ27.8%・15.8% であり、いまだ低い水準にある。東京大学新聞社は「プログラミングに親しんでもらう」ことをモットーに2016年より「東大ガールズハッカソン」 を開催。情報分野を中心に理工系の男女比不均衡の解消や、IT業界での女性エンジニアの一層の活躍につなげることを目的としている。

 

 今回のアイデアソンで、参加者はハッカソンで開発するアプリのアイデアを考案。事前に提供された教材での学習や、企業で開発に携わるメンターの援助により、初心者であってもアイデアを形にすることができる。

 

 今年のアイデアソンは4年ぶりに対面での開催 となった。テーマは「思い出を作る、残す」 。新型コロナウイルス流行に関わるさまざまな制限が緩和され、旅行やイベントなどが再開された社会情勢を踏まえて設定した。ここ数年作り得なかった思い出を新しく作り、なんらかの形で残してもらいたいという希望を込めている。会場に集合した総勢22人の学生・メンター は、五つのチームに分かれてテーマを解釈し、独自の発想を発揮して今後開発するアプリケーションのアイデアを練った。2時間にわたるアイデアソンの終了後、各班はそれぞれアプリケーションの対象、実際のアプリケーションのデモ画面を発表した。

 

5チームに分かれ構想を具体化

 

チーム1・スペースコアラ 「暇」を友人とシェア

 チーム1 (チーム名:スペースコアラ)は、親しい友人どうしで暇な時間を共有し、マッチングするアプリを考案。暇な時間があっても誘いづらいなどの悩みを見事に解決するアイデアを編み出した。

 

チーム2・なつやさい 祭りの知見を蓄積し次へ

 チーム2(チーム名:なつやさい)は、「お祭の思い出」をテーマとし、祭りの主催者を対象にイベントの引き継ぎをサポートするアプリを考案。人工知能も活用し、運営の記録や反省点のまとめなどの保存を目指すとした。

 

チーム3・choCOdings. 地図上に描く重層的な思い出

 チーム3(チーム名:choCOdings.)は、一人旅が好きな人をターゲットに、日記や音楽を地図と紐付けられるアプリを考案。実際のアプリさながらの完成度の高いデモ画面で参加者を驚かせた。

 

チーム4・spring32 子育て×RPG?

 チーム4(チーム名:spring32)は、子供の主体性を育てることを目的に、近所を探検したり旅行計画を立てたりできるアプリを考案。RPGゲーム風のデザインを取り入れるという斬新なアイデアを発表した。

 

ホワイトボードでアイデアの要旨をまとめた。写真はチーム4(撮影・板橋一真)
ホワイトボードでアイデアの要旨をまとめた。写真はチーム4(撮影・板橋一真)

 

チーム5・我愛猫(ウォーアイニャオ) ペットの首で成長を記録

 チーム5(チーム名:我愛猫(ウォーアイニャオ))は、子犬や子猫の成長の思い出を残すことをテーマに、首輪の大きさに着目した記録アプリを考案。独創的なアイデアで思い出を作り、残すような仕組みを考案した。

 

 

 後日行った参加者アンケートでは「メンターの方のサポートが良かった」「メンターさんがデザイン思考を教えてくれてとてもためになった」などの好意的な感想が寄せられ、参加者の満足度もおおむね高かった。

 

 ハッカソン本番は9月21、22日に駒場Ⅰキャンパスで開催された。参加者はアイデアソンで発表した内容を基にプログラミングを行い、実際のアプリ開発に挑戦した。

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