文化

2022年7月15日

【ひとこまの世界】植物と触れ合う本郷癒やし散歩

 

 試験を直前に控え、忙しい日々を送る東大生が多いだろう。空きこまは勉強するのも良いが、たまには息抜きも必要だ。そこで、本郷周辺の散歩スポットを紹介する。本郷キャンパスの多くの授業に合わせてひとこま=105分でリフレッシュしてはいかがだろうか。

 

【駒場版散歩はこちら】

【ひとこまの世界】下北沢までぶらり線路散歩

 

15:20 3限終了後、本郷キャンパスの正門を出る。いつもは本郷三丁目駅へと左折するところだが、今回は直進することにする。

 

 

 本郷キャンパス周辺は坂が多い。今日はそこまで暑くないはずだが、坂を上り下りしていると汗ばんできた。

 

 

15:45 一つ目の目的地の小石川植物園に到着した。植物学の研究・教育を目的とした東大大学院理学系研究科附属の教育実習施設だ。そのため東大生なら学生証を見せれば無料で見学できる。

 

 

 門を入り向かって左側の道を進む。樹木でうっそうとしていて、非日常感が漂っている。少し進むと右手に小道が現れた。かなり暗くて怖かったが、せっかくなので勇気を出して進んでみる。

 

 

 人が少なくてどきどきする。小走りに階段を駆け上り、早く抜けることにしよう。と思ったその時、

「がさがさっ」

「うわあ!」

突然、物音と何かが通り過ぎる気配がして思わず大声を上げてしまった。

 

 

 どうやら猫がいたようだ。心拍数が上がるのを感じつつ、階段を駆け降りていく猫を見送る。

 

 

 階段を上ると広場に出た。周囲が明るくなり、他のお客さんも見つかってほっとする。ここは「分類標本園」のようだ。植物分類体系に従って植えられた実際の植物を見て分類体系を学べるらしい。次はどこへ行こうかと地図を確認すると「精子発見のイチョウ」とある。これは何だろう。

 

 

 その場所に行ってみると、大きなイチョウの木があった。案内板によると1896年に理学部植物学教室(当時)の助手だった平瀬作五郎が、この木から採取した種子から、精子を発見したらしい。種子植物にも精子が存在するという発見は生物学史上の偉業であるとのことだ。何やらすごいことが伝わってくる。

 

 

 さらに奥へ進むと「ニュートンのリンゴ」があった。リンゴの実が落ちるのを見て「万有引力の法則」を発見したという逸話で有名なニュートン。その生家にあったリンゴの枝を接ぎ木して育てたものらしい。物理学者にまつわるものを植物園で展示しているのは、ちょっと不思議な感じがする。

 

 

 実がたくさんなっている。まだ落ちるほどは熟れていないようだ。

 

16:10 時間がないためそろそろ出よう。長い時間は滞在できなかったが、無料で入場したので後悔はない。また来ようと思いつつ出口の門へ向かう。

 

 

 するとなんと、門の前に、先ほどの小道ですれ違った猫がいた。猫も植物園に遊びに来たようだ。予期せぬ再会にうれしくなる。

 

16:20 猫と触れ合ったあと植物園を出た。長い坂を上り次の目的地へと向かう。

 

16:30 二つ目の目的地の白山神社に着いた。この神社はアジサイが有名で、6月中旬には「文京あじさいまつり」が開催されていたらしい。出店などはもうないが、アジサイはまだまだきれいに咲いていた。

 

 

 

 小さな神社だが、色とりどりのアジサイが至る所に植えられていて見応えがある。

 

 

16:50 アジサイを見たままに写真に収めようと夢中で撮影していたら、あっという間に時間がたった。白山駅から電車に乗って帰宅しよう。かなり歩いたので疲れたが、さまざまな植物に触れてリフレッシュもできた。明日の授業もこれで頑張れそうだ。【葉】

 

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【ひとこまの世界】下北沢までぶらり線路散歩

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