授業

2024年3月19日

履修はどうやって決める? 科類別履修例を紹介!(文Ⅰ・文Ⅱ編)

 

 東大の特色の一つは教養学部前期課程のリベラルアーツ教育にあるだろう。分野を横断し、文理に関わらず履修科目を選べる。一方で膨大にある履修科目の中からどのように選べば良いのか迷う人も少なくない。そこで各科類の東大生の履修例を紹介する。(1Sは1年Sセメスター、1Aは1年Aセメスターを意味する。セメスターは4ヶ月単位の授業期間。時間割は全て1Sのもの)(構成・峯﨑皓大、取材・石井誠子)

 

文Ⅰ×理転も視野に アフリカに魅せられて

 

 学業の他に、日本ルワンダ学生会議という学生団体での活動にも打ち込み、忙しくありながらも充実した日々を過ごしています。ルワンダ含むアフリカに対しては、国際政治の中で成長のポテンシャルを秘めた地域として、大きな魅力を感じています。

 

 入学当初は、興味のあるアフリカについて政治の観点から見ようと、法学部進学を考えていました。しかし現在は、農学部の国際開発農学専修も視野に入れています。きっかけは1Sの授業でした。選択必修科目の「法Ⅰ」や「政治Ⅰ」の授業を受けた時、期待と違うと感じたのです。前者は内容がぼんやりとしていて実感を伴った理解ができませんでした。後者は面白かったものの、政治の現場よりも理論が中心で、自分の思い描いていた政治学とは異なりました。そこでより具体的に、開発援助などの観点からアフリカにアプローチしたいと思い、農学部の進学先候補として考えるようになりました。

 

 その点、火曜2限の「現代国際社会論」が自分の興味の的を射ていて面白かったです。アフリカ政治がどのような道を歩んできたのか詳細に知ることができました。1Sでは他にもさまざまな分野や評価形式の授業を試してみました。自分の関心領域や適合性についてしっかり見極める時期にできたと思います。

 

 農学部へ進学する場合、文系の科類からであってもさほど負担にはなりません。進学選択で特に高い成績が必要なわけでもなく、また文系よりの観点からも研究を進められるからです。高成績が必要な学部であっても、自分の頑張り次第で意外となんとかなるので、初めから成績を過度に意識する必要はないのかもしれません。履修を組む際は「楽単」などの言葉に流されず、興味のある授業を取ると良いと思います。

 

 

文Ⅱ×経済学部志望 ためらいによる後悔避けたい

 

 単位は可能な限り取っておきたいと思い、1Sでは15コマ履修しました。進学選択では経済学部を志望していますが、履修を組む上で進路を意識したことは特にありません。むしろ、面白そうな授業はひとまず取ってみようという姿勢でした。履修登録前に1、2回試しに授業を受けられますが、それだけではその授業に関心をもてるか見極めることはできません。実際は面白い内容だったのに履修登録の段階でためらってしまい、単位を取り損ねることだけは避けたいと思いました。前期教養課程の理念にならい幅広い学びを追求しようとしたわけではありませんが、結果的に分野横断的な履修になりました。特に面白かった授業は「認知脳科学」です。人間の視覚系に関する授業で、人間の脳の仕組みに関心があったこともあり、非常に興味深かったです。経済学入門の「経済I」も良い授業でした。経済は普段はあまり意識しないかもしれませんが、世の中で重要な役割を果たしています。実生活と密接に関わっている点が魅力的です。

 

 第二外国語のフランス語の授業は大変でした。主語と動詞の一致や不規則変化動詞など、文法の複雑さに苦労しました。ただ、大変であっても第二外国語は頑張った方が良いです。必修で6単位分あり、進学選択の点数にも影響してきます。「平均合格」(1S・1Aの成績平均が50点以上となることなどにより、単位所得が認められる制度)などの救済制度は存在しますが、初めから真面目にやっておいた方が楽ですし、痛い目にあわずに済みます。

 

 せっかく教養学部で学ぶのであれば、自分の興味に応じてさまざまな分野を巡ってみると良いのではないでしょうか。気になる授業を取らずに後悔するよりは、とりあえず履修してみるのも一つの方法だと思います。

 

koushi-thumb-300xauto-242

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit

   
           
                             
TOPに戻る