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2018年12月12日

第17回赤十字人道法模擬裁判日本大会で東大チームが優勝

 11月に開催された国際人道法模擬裁判日本大会で東大生チームが優勝しました。今回は参加者の童菲さん(文Ⅰ・1年)に、大会の様子を振り返って寄稿してもらいました。


 11月24、25日にかけて、日本赤十字主催の国際人道法(International Humanitarian Law: IHL)模擬裁判日本大会が開催された。愛知県立大学、同志社大学、一橋・早稲田大学合同チーム、国際基督教大学、西南学院大学、早稲田大学、横浜市立大学と東大の8チームが参加した。

 

 この人道法模擬裁判では4人1組で構成されるチームで、同年7月に発表された本模擬裁判に係る問題文を読み込み、国際法一般、特に国際人道法の知識を駆使しながら、検察側と弁護側両方のメモリアル(申述書)を大会1カ月前に提出する。大会当日には、英語で自らの弁論を検察官と弁護両方の立場で弁論を展開していく。国際人道法の理解を問い、事実関係の立証を迫る裁判官からの鋭い質問に対し、冷静で論理的な弁論を通じて、言葉という武器で正義を勝ち取る激しい戦いであった。裁判官役を務めたのは国際法実務家や研究者が多く、大変刺激的な大会であった。

 

 一般的には3、4人で参戦するのだが、東大からは山崎武徳さん(養・4年)と筆者の2人チームで参戦した。国際法が専門のキハラハント愛准教授(総合文化研究科)から論点の話し合いや判例の分析などについての指導を、大会2カ月前から週1回、大会2週間前から週2回ほど受けた。

 

 大会は予選、準決勝、決勝の3ラウンドからなる。東大チームは、一橋・早稲田大学合同チームと西南学院大学に当たった予選では、準備が整っていたため質疑応答には順調に耐えられていた。しかし予選結果は同志社が1位での2位通過で、悔しい1日目を終えた。2日目には、早稲田大学との準決勝を勝ち抜き、決勝で同志社大学と優勝を争った。決勝はプリーディング(起訴すべき内容と理由の申し立て)の段階ではなかなか決着がつかない強い相手で緊張する展開だったが、最後にリバッタル(弁護側の主張に反対する弁論)で熱い議論を展開し裁判官の心をなんとか引き止めた。

 

 筆者にとっては2回目の模擬裁判で初めての人道法の大会。人権人道法の専門家によるコーチに加え、法律の知識や模擬裁判のマナーなどを親身になって教える先輩から、手厚いサポートを受けることができた。最終的に香港の国際大会へのチケットを勝ち取るという結果になり、法律への今後の学問追究にも大変刺激的な経験であった。これからの国際大会でも、日本代表としていい成績を残せるよう弁論者2人で尽力する。

 

(寄稿=童菲)

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