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2022年8月21日

エース井澤インタビュー プロ志望届提出に迷いなし

 

 2年次からエースとして硬式野球部を引っ張ってきた井澤駿介(農・4年)がプロ志望届を提出する意志を明らかにした。2017年のドラフトで宮台康平(現・ヤクルト)が日本ハムから7位指名を受け、東大出身の選手では6人目となるプロ入りを果たしたのは記憶に新しいが、井澤は7人目になれるのか。プロの世界を意識し始めたきっかけや自身の武器について語ってもらった。(取材・安部道裕)

 

育成契約でもプロへ

 

──プロ志望届を提出すると聞きました

 そうですね、プロの世界に挑戦したいと思っています。ただ、提出期間はまだ先なので、今の気持ちとしては「提出するつもりでいる」という感じですね。

 

──まだ迷いはありますか

 いえ、迷ってはいません。けがなどのトラブルがなければ提出します。

 

──育成選手(※)としてでも球界に入るつもりですか。他の進路についても考えていますか

 そうですね、育成選手としてでもプロになりたいと思っています。野球以外の他の進路については考えていなくて、とりあえず今は野球を頑張って、無理だったらその時にまた考えようと思っています。

※支配下登録選手枠(通常のドラフトで指名される選手たち)に含まれない選手のこと。1軍の試合には出場できないこと、契約金が支払われないこと、背番号が3桁であることなどの制約が発生する。

 

──東大出身でプロ野球選手になったのは過去に6人だけです。プロの世界に挑戦することを意識し始めた瞬間やターニングポイントはありましたか

 野球をやっているからには「プロ野球選手になりたい」とは以前から思っていました。なので、明確にこれといった瞬間があったわけではありませんが、六大学野球のリーグ戦でプロに行くような選手たちを相手に「何とかして勝ちたい」という思いで戦ってきた中で、プロに行きたいという気持ちが大きくなりました。以前からプロに行きたいとは思っていたのですが、言葉にはしていなかったというのが実際のところですね。

 

 

背中を押してくれた井手監督

 

──プロ志望届を提出することについて、周りの人に相談などはしていますか

 

 監督やスタッフ、卒業生の方にお話を聞かせていただきました。井手峻監督は元プロ(中日ドラゴンズで10年間プレー)ですが、監督がプロになったころは今と制度も違うので、プロになることの難しさなどを深く話したというよりは「やりたいと思うことをやったら良い。頑張れ」と背中を押してもらいました。

 

 プロ志望届を提出することについて一度報道されましたが、家族やチームメートはそれを見て知ったと思います。両親は「可能性は小さいかもしれないけど、最後まで諦めずに頑張りなさい」と応援してくれています。

 

──昨シーズンの早稲田戦では引き分けに持ち込む好投を見せました。2年次からエースとしてリーグ戦を戦い個人成績も伸びていますが、手ごたえを感じている部分はありますか

 

 防御率などの指標は年々良くなっていますし、自分としても冬を越えるたびに毎年少しずつですが成長できていると思っています。リーグ戦でそれを実感できる場面が多くなりました。

 

 (昨シーズンは)早稲田戦は何とか試合を作れましたが、それ以外の試合は満足のいくものではなかったです。

 

武器は多彩な変化球を駆使した投球術

 

──自身の一番の武器は何だと考えていますか

 

 数種類の変化球を駆使して的を絞らせない投球ができるのが自分の武器だと思っています。特にカットボールが一番の武器で、春季はカットボールを多用していました。しかし、その球種に頼り過ぎていたら、相手も対応してくるので打たれてしまいます。自分の武器を最大限生かすためにも、的を絞らせないよう他の変化球も高いレベルで使えるようにしたいです。

 

──春シーズンを振り返って、そして秋のシーズンに向けて夏にどんな練習をしますか

 

 春は厳しいコースを攻めようとした結果四球が増えて失点につながるケースが多かったのが反省点です。どんな球種でも確実にストライクを取れるような状態で秋のリーグ戦に臨みたいと思っています。そのため夏は「ラプソード」という投げた球のスピードや回転数、回転の傾きなどの数字が細かく分かる最新の機器を用いて、データと自分の感覚を擦り合わせようと考えています。

 

──秋の目標について教えてください

 

 秋はチームとしては最下位脱出。確実にするには勝ち点3を取らなければなりません。個人としては3勝以上したいと思っています。

 

春季はキャリアハイの 22奪三振だった(撮影・安部道裕)

 

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