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2025年10月3日

【東京六大学野球】明大1回戦 東大の好守備が光るも打線が沈黙

 硬式野球部(東京六大学野球)は9月20日、明大と1回戦を戦い、0-6で敗れた。東大のエース・渡辺は6回途中で降板。打線も9回1安打と明大投手陣の前に沈黙した。(取材・撮影 吉田直記)

 

東大 000000000|0
明大 10101102X|6

 

秋季リーグ第2週は明大と対戦 初戦は黒星

 

 早大とは0勝2敗に終わった東京六大学秋季リーグ戦。9月20日は明大との1回戦が行われた。始球式に登場したのは東大野球部OBの岡村甫(おかむら・はじめ)東大名誉教授。高性能コンクリートの研究開発などの功績で紫綬褒章も受章した岡村名誉教授は、学生時代にアンダースローの投手としてリーグ戦通算17勝をあげた剛腕投手でもある。この偉大な記録は東大野球部の歴代最多勝としていまだに破られていない。レジェンドによる豪華な始球式に続き、涼しい秋風が感じられる空の下で明大との試合が開始された。

 

始球式でボールを投じる岡村氏
始球式でボールを投じる岡村名誉教授

 

 1回裏の明大の攻撃。マウンドには東大のエース・渡辺向輝(農・4年)がのぼる。先頭の明大1番・岡田啓吾にはショートへの内野安打を許したものの、二盗を試みた岡田を捕手・明石健(農・3年)が刺した。試合開始早々から明石の強肩が光った。その後は四球を挟み2死一塁の状況で4番・小島大河を迎える。初回の失点は避けたかったが、小島の打球はレフト線に落ち、一塁走者は一気に本塁へ生還。この適時二塁打によって東大は1点を先制されてしまう。

 

 2回表の東大の攻撃。2死から6番・榎本吉伸(文・4年)の打席でチーム初安打が生まれる。左打者である榎本は明大のエース・毛利海大から逆らわないバッティングでうまく流し打ちし、レフト前へクリーンヒットを放った。しかし後続が倒れこの回も無得点に終わる。結局、この榎本の放った安打が今試合を通じて東大唯一の安打となった。

 

 3回裏。明大の1番・岡田、3番・榊原七斗がヒットを放ち1死一、三塁になると、4番・小島がライトへ犠牲フライ。1点を追加される。5回裏には明大の8番・田上夏衣に右翼席に飛び込むソロホームランを浴びてスコアは0−3になる。

 

 6回裏。ここまで投げ抜いてきたエース・渡辺だったが、3番、4番に連打を浴び、続く5番には四球を与え無死満塁に。ここで東大は投手を渡辺から佐伯豪栄(工・3年)に交代。強いプレッシャーのかかる場面だったがマウンドを託された佐伯は踏ん張り、このピンチを内野ゴロの間のわずか1失点で切り抜ける。

 

 8回表。ここまで三者凡退が続いていた東大にチャンスが訪れる。2死走者無しの状況で7番・明石の放った打球は一二塁間への強いゴロとなり、これを明大の二塁手がエラー。2死一塁となる。東大はここを好機とみてベンチスタートだった主将・杉浦海大(法・4年)を代打に送る。杉浦は死球をもらうが、すぐに東大ベンチを振り返って大声でチームを鼓舞。早大1回戦で死球により負傷した主将の闘志がチームを盛り上げる。続く9番・酒井捷(経・4年)も冷静に四球を選び2死満塁に。三塁側の東大内野席がこの日一番の大声援を送る中、明大もタイムを取って内野手がマウンドに集まりエース・毛利を落ち着かせる。ホームランが出れば同点という期待が集まる中、1番・中山太陽(経・4年)は惜しくも三振に倒れてしまい、残念ながら得点にはならなかった。

 

 その後も東大は8回裏に2点を追加され、最終スコアは0-6の敗戦。明大のエース・毛利を中心とした投手陣の前に1安打完封負けと悔しい結果となった。一方で、明大の足を絡めた攻撃に対して東大は対抗できなかった訳ではない。捕手・明石が魅せた2度の盗塁刺は、正捕手・杉浦に引けを取らない強肩をアピールするものだった。また、7回裏2死二塁からの左前打で、本塁に突っ込んできた二塁走者をレフト・榎本が確実な送球で刺す場面もあり、守備面では今後に期待の持てる内容だった。

 

試合が終わり整列する両校の選手
試合が終わり整列する両校の選手

 

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