COLUMN 2020年2月6日

【世界というキャンパスで 分部麻里(文・4年)東南アジア編⑦】カンボジアとの別れ

【前回までのあらすじ】

 カンボジア・シェムリアップにあるスパでのインターンシップで仕事の大変さを感じつつ、現地の人々の明るさに助けられていた。

 

 

渡航前に見たアンコールワット。カンボジアをたつ寂しさをしんみり感じていた

 

 インターンシップの最後に成果発表会をすることになった。半年間の勤務で、何か目に見える成果を残せるだろうか。残りの期間を有意義に過ごさなくては、と焦りを感じていた。

 

 そんな中、セラピストの試験に未合格の新米スタッフとペアになりガーデンツアーに取り組んだ。お客様にハーブ庭園を案内した後、ハーブのせっけん・入浴剤作りを体験し、足のマッサージを行うメニューだ。私はせっけん・入浴剤作りを、ペアの彼女はマッサージを担当した。

 

 私より年下の彼女はかなり気が強い。接客時も少し偉そうに見えてしまい、全身のマッサージを行うための試験に合格できずにいた。

 

 何か頼んでも嫌そうな顔をしていた彼女だったが、ツアーの接客に入ってから態度が少しずつ変わってきた。ある日のツアー後「お客さんが喜んでいたよ」と告げると、これまでになくはにかんだ。本当にかわいらしい笑顔だった。以降、プロ意識をもって仕事に取り組む様子も見られ、今ではセラピストとして活躍しているそう。彼女の成長とともに私も少しだけマネジメントのスキルを高められたかもしれない。

 

 

 成果発表会では活動の成果と反省点を振り返った。後悔も多々あったが、上司の皆さんから私の将来について温かい言葉をかけられたのが心に残った。特に迷惑をかけた直属の上司の泣く姿を見て、カンボジアに来て良かったと思った。

 

 勤務を終え、スタッフが送別会を開いてくれた。カンボジア流の送別会は、バーベキューをしつつ音楽を爆音で流し、みんなで踊る。スタッフたちが「またカンボジアに来てね」と言ってくれるのが本当にうれしかった。最後に三輪タクシーのトゥクトゥクに乗って帰る際に、走り出さないようスタッフたちがふざけて窓ガラスを手で止めていたのも忘れられない。

 

同僚たちが開いてくれた送別会。バーベキューをしながら飲んで踊った

 

 記者を志していた私だったが、勤務を終える頃には、将来はソーシャルビジネスに携わりたいと思い始めていた。次はタイでの留学期間が始まる。まずは、学生ビザを取得すべく近隣国で一番ビザが取得しやすいというラオスへと旅立った。

 

【連載記事 世界というキャンパスで 分部麻里(文・4年)東南アジア編】

【世界というキャンパスで】分部麻里(文・4年)東南アジア編① 期待を胸にカンボジアへ

【世界というキャンパスで】分部麻里(文・4年)東南アジア編② 異国の「洗礼」でびしょびしょに

【世界というキャンパスで】分部麻里(文・4年)③ 異国の同僚の気遣いに感動

【世界というキャンパスで】分部麻里(文・4年)東南アジア編④ 現地の歴史の光と影を巡る旅

【世界というキャンパスで 分部麻里(文・4年)東南アジア編⑤】後輩指導で言葉の壁に直面

【世界というキャンパスで 分部麻里(文・4年)東南アジア編⑥】日本と違う?働き方の感覚


この記事は2020年1月28日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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東大新聞オンラインPICK UP:AI編
100行で名著:『トニオ・クレエゲル』トオマス・マン作
世界というキャンパスで:分部麻里(文・4年)⑦
キャンパスのひと:明畠加苗さん(文Ⅲ・1年)

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