最新ニュース

2020年9月3日

凸版など4社と提携 半導体技術を社会に提供

 東大は8月17日、凸版印刷、パナソニック、日立製作所、ミライズテクノロジーズと共に、最先端の半導体技術をサービスとして提供する「先端システム技術研究組合(Research Association for Advanced Systems、略称RaaS)」を設立した。豊富なデータでさまざまな課題を解決する「データ駆動型社会」に必要な専用チップの性能と開発効率の向上に取り組む。

 

 デジタル情報技術の進展のためには、現実空間と仮想空間をつなぐデータの活用が必要となる。そこで、インターネットに接続したIoTデバイスで計測・検知したデータを次世代通信規格「5G」で集め、AI技術で高度な分析を加えてサービスとして提供するシステムが求められている。システムを実現するためのデジタル技術は、安く高性能であるだけでなく、早く提供されることも重要だ。しかし、データ駆動型社会を支えるシステムに必要となる専用チップの開発には、多大な費用と年月を要することが課題となっている。

 

 RaaSでは専用チップの開発効率を高めるため、ソフトウエアに比べて設計が難しいハードウエアである専用チップの設計を一般に公開。ハードウエアの実装と修正を短期間で繰り返しながら専用チップを開発する「アジャイル設計手法」と呼ばれる自動設計手法も研究開発する。これにより、誰でも最新の半導体技術を使えるようになることが期待される。加えて、エネルギー効率を10倍高めるという目標を設定。その達成のため従来のチップでは平面的に配置されていた回路を立体的に配置する「3次元集積技術」の研究開発を進める。


この記事は2020年9月1日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。

ニュース:新型コロナ流行下の課外活動 Sセメに半数が活動休止
ニュース:凸版など4社と提携 半導体技術を社会に提供
ニュース:コンサル会社を設立 経済学などの知見生かす
ニュース:硬式野球 春季リーグを総括 前半善戦も全敗
ニュース:AI研究機関を設立 SB・ヤフーと連携
ニュース:オープンキャンパス オンラインで開催
企画:論説空間 ブラック・ライヴズ・マター運動と日本における重層的差別 土屋和代准教授(東大総合文化研究科)
企画:東大に響き続ける声をつなぐ 100周年を迎えた東大唯一の男声合唱団・コールアカデミー
東大新聞オンラインPICK UP 料理・自炊編
知のrecipe 豚バラのビール煮
キャンパスのひと 濱祐輝さん(育・3年)

※新聞の購読については、こちらのページへどうぞ。

koushi-thumb-300xauto-242

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit

   
           
                             
TOPに戻る