報道特集

2019年5月7日

新入生アンケート2019分析③ 「学業最重視」が72.3% 「エリート意識ある」は3年連続で半数割る

 東京大学新聞社は3月28日・29日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3125人の92.0%に当たる2875人から回答を得た。このアンケートは毎年入学の諸手続き時に実施する、新入生を対象にした調査。受験や大学生活、進路への意識や社会問題への賛否などを質問した。今回は大学生活で重視したいことなどについて傾向を分析する。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)

(構成・安保茂)

 

大学生活

 「大学生活で最も重視したいこと」では「学業」が前年より約4ポイント増加の72%で最多。「2番目以降に重視したいこと」は「部活・サークル」(53%)や「アルバイト」(28%)などが多く、「海外留学」は過去3年で最高の15%に。海外留学を「したい」と「ややしたい」と答えた人はそれぞれ32%と37%で、新入生全体の7割近くに上る。

 

 

 教養教育が中心の前期課程(学部1・2年)と専門分野を学ぶ後期課程(学部3・4年)のどちらに期待しているかという質問では、「後期課程」の回答者が29%、「前期課程」が12%に。「両方同じくらい期待している」人は56%いた。

 

奨学金

 奨学金受給予定者はほぼ例年通りの17%。拠出先は日本学生支援機構が最多で新入生全体の12%だ。同機構が全国から抽出した学生を対象に行う学生生活調査によると、受給者は50%前後で推移。東大では全国と比べ受給者の割合が低いことが分かる。

 

 

エリート意識

 「日本の将来を担うエリートだという意識」を持っているか聞くと「持っている」と「少しは持っている」の合計は約48%。3年連続で半数を下回った。科類別では「持っている」と「少しは持っている」の合計が、理Ⅲ(70%)、文Ⅰ(64%)、文Ⅱ(52%)で半数を超えたが、理Ⅱ(45%)、文Ⅲ(45%)、理Ⅰ(44%)で半数以下だった。

 

 

【新入生アンケート2019】

新入生アンケート2019分析① 32.5%が「学生の男女比問題なし」 自民党支持率は低下

新入生アンケート2019分析② 入試への施策、賛成派多数 合格に必要なもの「周りの環境」が51.6% 

新入生アンケート2019分析④ 民間企業志望者が8ポイント増加 「就活ルール」存廃53%が「興味ない」


この記事は、2019年4月23日号からの転載です。紙面では新入生アンケートの全ての質問に対する回答結果の一覧も掲載しています。他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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