COLUMN 2017年11月14日

【世界というキャンパスで】額田裕己さん② 英語力と自信つかむ

 オークランド空港に翌朝7時に到着した僕は、送迎の車でホームステイ先へ向かった。幸先のいいことに、ホームステイ先の家族はフレンドリーでとてもよくしてくれた。しかしそんな居心地のいい家庭に落ち着く暇もなく、翌日からはもう語学学校が始まるのである。

 

 実は留学前まで、僕はニュージーランドに驚くことはできないのではないか、と考えていた。日本人に比較的身近である西洋文化圏においては、どんな文化があるのかある程度予測がついてしまうのである。

 

 しかし語学学校はいい意味でその期待を裏切ってくれた。そこは多様性にあふれる空間であった、何しろ英語圏を除くあらゆる地域からの留学生が生活しているのである。多様性の少ない日本に19年間生きてきた僕にはそれがとても面白かった。タイ人と友達になったら激辛タイ料理を毎日のように食べさせてくれた。友人のコロンビア人はひたすらにテンションが高く、いい歳をして授業中に小学生のようにはしゃいでいる。断食明けの日にはアラブ系の留学生が食堂で踊り狂っていた。そこには異色の人間とかちょっと変わったやつ、といった概念は存在しないのだ。それは僕にとって大きな驚きであった。

 

濃密な2カ月半を過ごした語学学校(写真は額田さん提供)

 

 せっかくの留学体験記なのだから、ここで英語の勉強について話そう。到着直後、少しは日本で勉強してつけた(つもりであった)僕の英語力はほとんど歯が立たなかった。ホームステイ先のファミリーはなるべくゆっくりと喋ってくれたけれど、正直なところ半分ほどしか理解できないのである。語学学校は語学学校で、友人は必ずしも英語に堪能な人ばかりではない。喋っているペースは遅いにも関わらず、クセが強くて何を言っているのか解らない。そんなこんなで最初の1カ月は悪戦苦闘である。正直なところ、1カ月経っても僕の英語力は会話と呼べるものではなかった。

 

 それでもなんとかコミュニケーションがとれたのはなぜか。とりあえず日常的によく使うフレーズを溜めていったのである。日本語で言えば「それわかる!」とか「ほんとに!」といったごく簡単なものだ。そういう種類の言葉をいくつか駆使して混ざりにいく。それだけでなんとなく会話できている気がするから驚きである。そうしているうちに語彙が増えていく。ある程度自信がつく。「自分は英語が話せる」と感じ始める。するともっとレベルの高い会話をしたい、と思い始める。そうやって僕は、徐々にではあるけれど英語力と自信とをつけていった。

 

 語学学校に滞在した2カ月半は、恐ろしいほど濃厚で、また一瞬に感じられた(記事も一瞬だ)。僕のいた語学学校では、毎週新しい入学生が来て毎週プログラムを終えた生徒が卒業していく。11週の学生生活を終えた11月11日、僕は語学学校を卒業した。

 

語学学校卒業の日、クラスメートと共に(写真は額田さん提供)

 

 しかし僕がニュージーランドに来た最大の目的は、語学学校で得た英語力を生かしてバックパッカーをすることである。留学はここからが本番であった。

 

寄稿=(続く)

 

【世界というキャンパスで】額田裕己さん

【世界というキャンパスで】額田裕己さん① 大自然での一人旅へ


この記事は、2017年11月7日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

 

 

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著者に聞く:『21世紀のアニメーションがわかる本』土居伸彰さん
世界というキャンパスで:額田裕己さん(文Ⅲ・1年)②
キャンパスガール:髙橋紗里奈さん(文Ⅱ・1年)

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