受験

2017年8月26日

【現役学生が語る夏休み・夏以降の勉強法②】苦しい中でも、知の喜びを忘れずに

 暑さが続く今日この頃、受験生の皆さんはどのようにお過ごしだろうか。この夏を有意義に過ごせたという人もいれば、やり残したことが多いと感じる人もいるだろう。東大新聞オンラインでは2回連続で、残り少ない夏から受験に向けてどのように勉強していけばいいのかについて、現役学生からのアドバイスを紹介する。

 

 

 夏休みには、夜更かしを控えた以外は特に起床時間や就寝時間は決めず、昼寝も積極的に取りました。1日の睡眠時間は8~10時間でしたね。秋以降は危機感が芽生えたことで、睡眠時間を削って勉強に充てましたが、それでも1日あたり6時間は確保しました。受験勉強は長期戦なので、翌日に余力を残せるようにしっかり睡眠を取ることをお勧めします。息抜きも適度に挟みましょう。僕は寝る前にSNSで東大志望の友人と雑談したり、受験に関する情報を共有したりして、息抜きも兼ねて不安を紛らわせていました。

 

 夏休みの勉強については、秋以降に応用力を伸ばせるように「基礎を固める」「苦手を潰す」「未習範囲をなくす」の三つを意識すると良いです。僕は8月中旬までは塾や学校の夏期講習に通いつつ、移動の電車内では英単語や歴史名辞など、基礎的な暗記事項を確認していました。講習では現代文、古典、数学、英語、日本史、世界史の、2次試験で必要な科目全てを受講しており、どの科目でも演習を通じて基礎が身に付いたと感じています。8月下旬は何も予定がなかったので、苦手な数学に勉強時間のほとんどを費やし、それまで着手していなかったセンターの生物基礎と地学基礎も一通り参考書でさらいましたね。夏休みの勉強時間は、講習の受講時間を含めて1日あたり平均9時間くらいでした。秋以降は忙し過ぎて勉強時間を計る余裕すらなかったのですが、学校や塾の授業を含めて1日あたり平均11時間ほど勉強したと思います。

 

 夏の東大模試は特に何も準備をせず挑みました。夏はまだ基礎を固める時期なので、応用力を要する模試の結果がたとえ悪くても、気にする必要はありません。ただし復習はしっかりとしましょう。僕はほとんど模試の復習をしなかったのですが、今思えば間違えた問題や自信がなかったのにまぐれで正解した問題について、通常の解き直しに加え関連する問題も併せて解くべきでした。例えば数学で微分の問題を間違えた場合、参考書で微分の問題を一通り解き直したり、積分についても参考書を読み返したりする、といった具合で、効率的な復習ができると思います。秋の東大模試は本番だと仮定し、3日前から全科目の全範囲を総復習した結果、思わぬ苦手の発見につながりました。

 

 夏の過ごし方で良かった点は、他の科目をある程度犠牲にしてでも苦手な数学に時間を割き、何とか基礎を固められたことです。これで秋以降、全科目で本格的な演習に取り組む下地が整いました。悪かった点は、時間を区切らずだらだら勉強してしまったことでしょうか。秋からは学校が再開して夏休みほど時間に余裕がなくなったこともあり、短時間で最大限の効果を上げられるよう工夫しました。例えば過去問を解く際は、夏までは制限時間を設けず熟考していたのに対し、秋以降は本番を見据えて、本番と同じ時間で解きましたね。単語帳や一問一答については、秋以降は自信のあるページを飛ばして苦手なページだけに集中するのも一つの手です。

 

 夏からは徐々に、本番が近づいてくるプレッシャーを味わうことになります。分からないことやできないこと、欠点ばかりが目に付くようになり、不安になるかもしれません。でも、実はその感覚こそが、あなたが成長している何よりの証拠なのではないでしょうか。勉強とは不思議なもので、すればするほど既知の事柄が増えていくかと思いきや、むしろ逆に未知の事柄が増えていく。そういうものだと割り切りながら、知ることを楽しむつもりで一つ一つ未知の事柄を既知に変える努力を重ねているうちに、気が付けばあなたは東京大学という学問の扉を開けているはずですよ。

(1年・男子)

 

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