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2016年12月29日

【東大2016総決算⑥:ノーベル賞】大隅栄誉教授、東大助教授時代の研究に評価

 推薦入試や進学選択など、東大の新制度が実施された2016年。七大戦優勝や東大で研究経験がある大隅良典栄誉教授(東京工業大学)のノーベル賞受賞などうれしい出来事があった一方、論文の不正疑惑など波紋を呼ぶ動きも相次いだ。東大の1年のニュースを全7回にわたって振り返る。

 

大隅栄誉教授にノーベル賞

 大隅良典栄誉教授(東京工業大学)は10月3日、2016年のノーベル生理学・医学賞の受賞者に選ばれた。生物が飢餓状態などに際して細胞内で自らのタンパク質を分解し利用する機能「オートファジー」を、世界で初めて分子レベルで解明したことなどが評価された。現地時間12月10日にはスウェーデン・ストックホルムで授賞式があった。

 

 大隅栄誉教授は東大助教授時代の1988年、飢餓状態の酵母が自身のタンパク質を、細胞内の器官「液胞」で分解することを世界で初めて観察。オートファジーに関する遺伝子特定などを進めた。受賞決定の記者会見で大隅栄誉教授は「研究者としてこの上ない名誉」と喜びをかみ締めた。また「『役に立つ』という言葉が社会を駄目にしている」と基礎科学研究の重要さを強調。「『どこに向かっているか分からない』ことに挑戦でき基礎科学を見守る社会となるよう努力したい」と語った。

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