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2020年2月10日

オリエンテーション委員会 女子学生入会制限サークルを規制

 

 2020年度教養学部オリエンテーション委員会(オリ委員会)は1月26日、東大の女子新入生の入会を断る団体の新歓活動への参加を認めない規則を設けると発表した。20年度からの新歓参加には差別禁止規則への同意が必須となる。規則はオリ委員会のウェブサイトで発表された他、団体宛てにメールでも告知された。

 

 オリ委員会は新入生歓迎行事などを統括する学生組織。今回発表された声明では、毎年報告される「本学の女子新入生が性別を理由に入会を断られるというような事例」を「純然たる差別」と批判。自由な団体選びのために規則を追加したとしている。オリ委員会は本紙の取材に対し「委員会の意図と異なった情報が流布してしまうことを懸念し、一切の取材をお断りしております」と回答した。

 

 太田邦史総合文化研究科長・教養学部長は本紙の取材に対し、東大が数十年間抱えてきた問題に対して学生が勇気ある決断を下したことに、敬意を表すると語った。あくまで学生の自主的な規則制定であり、教員による介入はなかったという。今後は学生側の自主的な要請があれば、裏方のような形で支えるとの立場を表明した。例えば、名目上差別しないことを表明しても実態が伴っていない団体があった場合などに備えて、学生組織が主体となって相談窓口を設ける案が出ており、教員も必要に応じて裏側で支援するという。

 

 サークルが東大の女子学生の入会を認めない行為に対しては、16年3月に南風原朝和理事・副学長(当時)が再考を促す文書を出すなど、東大関係者から改善を求める声が相次いでいた。18年春に本紙が学内の運動系サークルを対象に実施したアンケートでは、東大女子の参加を認めないと回答したサークルは少なくとも3団体確認されている。

 

 昨年12月にはサークル活動を物品や予算の面で援助する教養学部学友会学生理事会も、加盟申請受理の条件を示す規則などで「当該サークルが正当な理由なく普通会員に対する加入拒否及び除名を行っていないこと」という条件を追加。学友会規則は6月1日から施行予定で、不当な入会制限を設けるサークルに改善を求める動きが続く。


この記事は2020年2月4日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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