ニュース

2021年12月25日

【東大の1年を振り返る】コロナ2年目の東大① イベント開催と大学当局の動きは

 

 2021年、東大新聞オンラインでは報道特集を含め約200本のニュースを公開してきた。この1年を通じて東大は新型コロナウイルスの影響を受け続けたが、一方でウィズ・コロナ時代に向けた昨年からの変化も見られ、またコロナに負けない学生たちの活躍もあった。ここでは、東大新聞で繰り返し扱ったコロナ禍でのイベント開催、コロナに対する大学当局の対応の二つの観点から東大の1年を振り返る。(構成・池見嘉納)

 

【コロナ禍のイベント】「親睦を深めるいい機会に」

 

 2021年4月から年末までに東大で行われたイベント・行事を振り返る。

 

イベント延期・中止が相次ぐも、少しずつ緩和へ

 

 4月12日、日本武道館において2年ぶりの対面実施となった入学式に学部新入生約3100人、大学院新入生約2500人が参加した。さらにその4日後には20年度入学者向けの入学者歓迎式典をゴールデンウィークに東京大学大講堂(安田講堂)で開催することを発表。サークルオリエンテーションの対面実施、五月祭のオンライン開催なども計画されている中で徐々に「本来の大学生活」への期待が膨らんでいた。

 

 しかし、4月25日に東京都に緊急事態宣言が発出されたことなどを受け、前述のサークルオリエンテーションは約1週間前に中止が決定。五月祭、入学者歓迎式典も同様にそれぞれ直前のタイミングで延期が決定された。五月祭の5月開催断念の際には、五月祭の企画・運営を行う五月祭常任委員会が5月7日「決定が大学側により直前かつ一方的になされたことについて、遺憾の意を表明します」と発表するなど、学生と大学側とでの意見の食い違いも見られた。

 

 その後6月末からは延期されていた各種イベントが再び動き出す。6月26、27日には20年度入学者の歓迎式典が開催された。式典の中では、総長との「対話」を求める学生が垂れ幕を掲げる一幕もあったが、参加学生の多くは式典の開催に好意的な反応を示した。7月7日には2年連続となる五月祭の9月開催およびオンライン開催が決定した。

 

 8月5日、東大教養学部のAセメスターの授業形態案を発表。Sセメスターに引き続きオンライン授業を中心としつつも、一部授業が対面で行われることとなった。11月21〜23日には駒場祭が2年連続でのオンライン開催。今年は参加団体の構成員や招へい者は学外からも入構が認められた。12月13日からは駒場、本郷両キャンパスでの入構制限の緩和が開始された。学外者は建物外までは入ることができるようになるなど、少しずつながらも各種制限の緩和が進み従来の学生生活が戻りつつあるようだ。

 

オンライン開催の学祭 1年生の参加は

 

 ここではオンライン開催となった五月祭、駒場祭への1年生の参加について取り上げる。五月祭・駒場祭の両公式ホームページ内で確認できた1年生クラスの企画はそれぞれ、五月祭が38、駒場祭が28となっており、総クラス数は110程度であることを考えると参加率は両方とも50%を下回ったことになる。企画としてはオンラインであることを生かしたZoomを用いた雑談、ゲームでの対戦。他には、文集や動画などの公開などを行ったクラスもあった。

 

 不参加を選択したクラスの学生たちからは「オンラインだとできることが限られる上、お客さんも少なそうに思えた。時間と労力に見合うものが得られるか自信がなかった」(Aさん・文Ⅲ)、「学園祭への参加よりもさまざまなクラス内での(遊びの)企画の方が大切だった。クラス全体が『別にしなくてもいいかな』という気持ちだった」(Bさん・文Ⅲ)などといったコメントが寄せられた。また「オフラインであれば参加したと思う」というコメントも目立った。

 

 一方、参加した学生はどうか。「オンライン開催だったため技術的な問題もあり、直前期には準備に追われ大変だった。それでも準備や当日に、今まで交流の少なかったクラスメイトとの親睦を深められる機会になったのは良かった」(Cさん・文I)など、クラス間で良い交流ができたというコメントが目立った。一方で「オンラインでは参加者が少なく、少し盛り上がりに欠けるように感じた。学園祭は学外の人とも交流できる貴重な場なので、来年は対面で開催して欲しい」(Dさん・文Ⅱ)など、参加したからこそ対面開催の良さを再確認できたというコメントもあった。来年こそはさまざまなイベントが今まで通り開催されることを願いたい。

 

 

【大学当局】流行状況に対応しながらウィズ・コロナへ

 

 昨年に続き、今年も新型コロナウイルス流行の影響をあらゆる面で受けた1年だった。東大はどのようにコロナに対処したのか。入構制限やワクチン接種など大学当局の動きをまとめた。

 

 

入構制限は状況により変化 課外活動は緩和へ

 

 活動制限指針は、政府の緊急事態宣言や流行状況によって変化した。1月11日から3月22日までの約2カ月半にわたり、活動制限レベル1として課外活動や対面授業が全面禁止されるなどの措置が取られた。その後レベル0.5に引き下げられ、4月26日にはレベル0.5より厳しいながらも課外活動が一部許可されるレベル準1を新設し、移行。公式大会・行事への参加とそれに伴う練習について、学内施設を用いた活動が許可された。

 

 6月21日から活動制限指針が再編され、制限段階がアルファベット表記に。同時にコロナ流行後初めて学外者の課外活動施設の使用が解禁された。10月4日にレベルB(レベル準1相当)からレベルA(レベル0.5相当)に引き下げられた。12月13日には制限レベルはAのまま、入構制限が緩和。現在は学外者含め手続きなしにキャンパスに入構できる。

 

いまだにオンライン授業主流 どうなる学生交流

 

 入構や課外活動などで緩和が進む一方で、授業はいまだに多くがオンライン。前期教養課程では、対面授業は身体運動・健康科学実習や初修外国語、基礎実験など少人数かつ対面での教育効果が高いものに限られた。大人数による講義形式の授業は今なお大半がオンラインでの開講となっている。

 

 10月7日に実施された文部科学省の調査によると、全国の大学・高等専門学校の97.6%が後期の授業の半数以上を対面で実施する予定としたが、東大は調査の選択肢で「3割が対面」に該当。オンライン授業の教育効果への肯定的な評価もある一方、学生間の交流に関しては「他クラスの趣味が近い人やもっと話してみたい人とはせいぜいオンラインで交流できるだけ」などの学生の声がある。藤井総長は「講義以外で交流できる場を作ることを学部・学科単位で実現できるようお願いしている」と述べており、来年度の授業形態と授業以外の学生交流の在り方が注目される。

 

ワクチン接種 26000人が利用

 

 7月8日から10月29日には、新型コロナウイルスワクチンの大学拠点接種が実施された。接種されたワクチンは武田/モデルナ社製で、利用した人数は合計で約26000人。東大生は在籍者のほぼ半数の約15000人が接種した。接種対象は当初予定されていた東大生、教職員、東大で業務に当たる委託業務従業員に加え、東大生の同居家族や卒業生、近隣大学の学生にも順次拡大。8月24日には学生の同居家族、9月17日には卒業生も対象になった。接種推進の観点から予約なしでの接種も9月13日から10月1日まで行われた。

 

 接種は平日に本郷キャンパス山上会館本館で行われた。接種を希望する学生は東大の学務システム「UTAS」を通して予約した。

 

 予約受付開始当初は国の職域接種用ワクチンの供給量が不足し、東大も接種計画の見直しを余儀なくされた。7月5日には、早めの接種が可能であれば自治体などでの接種も検討するように呼び掛けた。ワクチンが安定的に供給されるようになったのは7月20日以降。異物混入の可能性が否定できないロットを使用していたとして8月26日には予約を一時停止するトラブルもあったが、追加納入を受け1日で再開した。

 

 東大は現在、3回目の接種の準備を進めている。希望調査を実施し、必要数や接種体制を検討している段階だ。

 

koushi-thumb-300xauto-242

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit




TOPに戻る