キャンパスライフ

2026年3月9日

【入学したら何をとる?】 東大新聞記者おすすめの総合科目授業紹介(人文・社会科学編)

 

 東大の前期教養課程では文理問わず幅広い授業を受けられるリベラルアーツ教育が行われている。ここでは文科理科ともに一定以上の単位数が要求される「総合科目」を取り上げる。総合科目は各講義が取り扱う分野によって七つの系列に分類される。今回はその中からA〜Cの六つの系列の、記者おすすめの講義を紹介する。これを読んで前期教養課程の履修を想像してみよう(授業の担当教員や扱うテーマは年度によって変わることがある)。(構成・山本桃歌)

 

A系列(思想・芸術)「言語構造論」広瀬友紀教授

 

 私たちが日々何気なく使う「言葉」。この授業は、その言葉の不思議を科学的に解明する言語学の入門だ。単なる外国語学習や文法の暗記ではなく、私たちが頭の中で持つ「言葉の知識体系」を言語学の各分野から徹底的に分析する。例えば、調音音声学では、「ありがとう」という音が、口や舌をどう動かして生まれているのかを探る。統語論では、なぜこの単語の並びは自然な文に聞こえるのかという文の構造を解剖する。さらに「人間は言葉をどう理解しているのか」という、認知科学にも通じるメカニズムにも迫る。異なる言語の間にある普遍的な仕組みはどうなっているのか、文法を知らなくても話せるのはなぜか。これらの問いを通して、誰もが日常的に接する「言葉」に隠された驚くべきロジックを発見する、刺激に富んだ授業である。

 

B系列(国際・地域)「歴史と文化」山口輝臣教授

 

 歴史研究は日々進化し、新しく多様な解釈にあふれている。本講義では日本の近現代史(昭和初期から現代)を軸に、「共産主義」「公娼」「戦後家族」など、高校の教科書であまり語られないが実は研究が盛んなテーマを毎回一つずつ取り扱う。

 

 講義は指定されたテキストの各章に沿って進行する。事前に受講生は該当箇所を読む。講義中は有志が内容の要約、関連研究について発表したうえで、テキストの著者が実際にオムニバス形式で登壇し受講生との質疑応答へと進む。登壇者は各テーマの研究の第一人者であり、最新の知見に触れることのできる貴重な機会が生まれる。受講生との活発なやりとりの中に、教科書知識としての日本史を超えた新たな見方が生まれること間違いなしだ。

 

C系列(社会・制度)「ジェンダー論」瀬地山角教授

 

 東大は共学である。しかし、学部では女子学生は全体の約20%を構成するに過ぎない状態だ。これを聞いて何を思うだろうか?「実力主義だからしょうがない」、「男女比は気にしなくて良い」このように感じた人にこそ、この講義を受ける価値がある。

 

 本講義では社会学の観点から、結婚や同性愛などのセクシュアリティー、家父長制や男女参画社会などのジェンダーにまつわる事象を扱う。多くの受講生が押し寄せる教室では、時に笑いに包まれる一方で、随所で示唆される日本社会が直面する性に関する深刻な問題に全力で向き合う顔がたくさん見られるのが印象的だ。将来社会の一翼を担う存在として、大学生として知っておくべき教養が詰まっているに違いない。

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