授業

2023年4月7日

進路も見据えた履修のコツは?  ─目標別モデルケース大公開!─ 理Ⅲ編

 

 授業や学生生活に燃える新入生の前に立ちはだかる最初の壁が時間割作り。授業がたくさんありすぎてわからない、とりあえず面白そうなものを受けようか……と考えているあなた。せっかくなら、今の漠然とした興味だけではなく来年の進学選択、あるいはさらにその先につながる充実した学びを得たくないだろうか? そんな人のために、本記事では昨年4月入学の先輩の履修例を大公開。実際に学生がこの1年何に重点を置いて、何を目指して授業を受けていたのか覗いてみよう。(1Sは1年Sセメスター、1Aは1年Aセメスターを意味する。セメスターは4カ月単位の授業期間。時間割は1Sのもの)(構成・鈴木茉衣、取材・新内智之、宮川理芳、佐藤万由子、小原優輝)

 

【理Ⅲ×興味を重視】上限まで総合・主題科目を追加

 

 医学に加えて物理学や化学にも興味があり、見識の浅い高校生の時点で学部を決めるのはリスキーなことに思えたので、進学選択の制度がある東大を選びました。履修登録可能な単位数の範囲内で取れるものを取ろうと考えた結果、1Sも1Aも集中講義を除いて週16こまに。理Ⅲはあまり進学選択の競争が激しくないということもあり、必修以外の授業は単位取得の難易度を気にせず、自分の興味に基づいて選びました。

 

 1Sで面白かったのは、生物物理という高校では扱わない分野をディスカッション中心で学べる「先進科学Ⅲα」や、文系科目の思考法を学べる貴重な機会だった佐々木英和先生(教養学部)の「現代教育論」(教育・学校心理学)などです。1Aでは宇宙を化学で解き明かす「構造化学α」、有機反応機構を初学者にも分かりやすく解説する「自然科学ゼミナール(化学)」がとても面白かったです。必修では、「線型代数学」の授業で「中高で得た知識がこうつながるのか!」といった驚きがありました。

 

 大学の勉強は、本格的な学問に突入するので、各授業で異なる内容を全力で勉強しなければならず、独学で予習をするのも困難です。大事なのは、自分が理解できないものに対して恐れずに立ち向かう姿勢です。無知をかみ締めながら手を動かし、本を読みあさり、論文を調べる過程にこそ理解の礎があります。また先生との距離も遠くなるので、周りの学生との助け合いも重要になります。私は数学や物理の質問に答えたり、逆に生物選択の人に生命科学を助けてもらっていました。

 

 異なる分野の知識が結ばれる瞬間こそ勉強の醍醐味(だいごみ)なので、2Sでは芸術や歴史の授業など今まで触れてこなかった分野の授業を取ろうと思っています。新しい世界に足を踏み入れることを恐れず、自己研鑽(けんさん)に努めます。

 

1Sの時間割

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