ニュース

2020年10月29日

【東大総長選考】職員の投票権「持つべき」が65.7% 本紙独自アンケート分析②

 東京大学新聞社では9月30日の東大総長選考(以下、総長選考)意向投票に先立ち、インターネット上でアンケートを実施した。分析第2回となる本記事では、総長の選考方法に関する質問などの回答結果をまとめる。回答者の65.7%が職員が意向投票の投票権を「持つべき」と回答するなど、総長選考の選考方法に対する東大関係者の意見が見えてきた。(構成・中野快紀)

 

第1回の記事はこちらから

 

 東大の総長選考では、意向投票の投票権を持つのは教授、准教授、教授会構成員の講師に限られている。東大のウェブサイトで公開されている2018年5月時点のデータによると、東大の教職員は合計7945人。そのうち教授、准教授、講師はそれぞれ1276人、922人、286人で全体の31.3%だ。教職員の約3割のみが投票権を持つ現行の制度はどのような評価を受けているのか。教員だけが投票権を持つ場合に東大総長が適切に選考されると思うかを尋ねたところ、「適切に選考されると思う」と答えたのが31.8%、「適切に選考されないと思う」が33.7%、「わからない」が34.5%だった(図1)

 

 意向投票で職員が投票権を持つべきかについては「持つべきだ」と答えたのは65・7%、「持つべきでない」が12.1%、「わからない」が22.2%だった(図2)。一方、学生が投票権を持つべきかという質問に対しては「持つべきだ」が43.4%、「持つべきでない」が30.8%、「わからない」が25.8%と、投票権を持つべきとの意見が半数を下回った(図3)

 

 職員の投票権については「(投票権がないことを)残念には思うが、研究者同士が投票し合うことに意味があると思うので、投票券(原文ママ)が教員のみに限られていることには納得している」(東大職員)との声がある一方「教職協働と言われて久しい。職員も大学の構成員であり、政策や高等教育情勢、学生の動向についてなど、職員のほうが明るい分野も多々ある。職員に投票権がないのは時代にそぐわない」(東大職員)との意見も。

 

 常勤の教職員に比べると東大への在籍期間が短い学生が投票権を持つことについては、「人気投票」化を危惧するなど懐疑的な声が多数あった。ただし、学生が意見表明を行える場を設けたり、票の重みを調整して投票権を与えたりする形で学生の声を反映させるべきという意見も寄せられた。現行の制度では、第1次候補者を投票で決める代議員会には部局から選ばれた職員が含まれているものの、学生が総長予定者決定の議論に関与する制度は存在しない。また第2次候補者の情報も、教職員に通知されるのみにとどまっている。

 

4割が「選考会議の選考不要」

 

 今回の総長選考では、選考過程への疑問の声が相次いだが、疑問の声を上げる人々が指摘したポイントの一つが「意向投票の反映の仕方」について。濱田純一前総長が選出された前々回の選考時には「意向投票の結果に『基づいて』決定」されると規定されていたものが五神真総長が選出された前回は「意向投票の結果を『考慮して』決定」、今回は「意向投票の結果に加え、総長選考会議の第2次候補者に対する『面接を含めた調査』も考慮して決定」と変更。回を重ねるごとに意向投票の扱いが小さくなっている。現行の制度では代議員会の投票と経営協議会の推薦によって第1次候補者(非公開)が選出された後、総長選考会議によって第2次候補者(教職員に通知)が絞り込まれ、意向投票が実施されるが、アンケート回答者が望む選考の在り方は。①投票のみで決める、②総長選考会議が提示した候補者を基に投票で決める、③投票結果を基に総長選考会議が決める、④総長選考会議の議論のみで決める  の四つの選択肢を提示し、これらのうちどれが最も良い東大総長の選考方法だと思うかを尋ねた。結果は①が最も良いと答えたのが41.9%、②が36.6%、③が20.2%、④が1.3%だった(図4)

 

半数が「就任希望者はいない」

 

10月2日に総長予定者に決定した藤井理事・副学長

 

 今回の総長選考で第2次候補者となったのは五十音順に染谷隆夫教授(東大工学系研究科・工学部長)、永井良三名誉教授(自治医科大学学長・東大医学部附属病院元病院長)、藤井輝夫理事・副学長(財務、社会連携・産学官協創担当、生産技術研究所教授)の3人。9月30日の意向投票では藤井理事・副学長が過半数の票を獲得し、10月2日に総長予定者として発表された。本アンケートでは候補者の3人に「この中に就任を希望する人はいない」という選択肢を加えて質問。染谷教授、藤井理事・副学長、永井名誉教授がそれぞれ18.4%、9.8%、4.1%の支持を得たのに対し、「この中に就任を希望する人はいない」と回答した人が54.7%と半数を上回った(その他は自由回答)。「この中に就任を希望する人はいない」は東大教員・研究員、東大院生で半数超え。東大学部生でも48.1%で1位という結果だった。一方、東大職員では「この中に就任を希望する人はいない」と藤井理事・副学長がともに29.7%、染谷教授が18.9%だった。東大教員・研究員では藤井理事・副学長と回答したのが19.0%と3人の中では1位、次いで染谷教授が7.6%だった。

 

【関連記事】

【速報・東大総長選考】選考過程「透明ではない」が77.2% 本紙独自アンケート分析①

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit
hidari_handle




TOPに戻る