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2022年11月21日

【六大学野球】法政戦 2連敗で最下位脱出果たせず

 硬式野球部(東京六大学野球)は10月22、23日、法政大学とリーグ戦最終戦を戦い、1回戦は1─2、2回戦は5―0で敗れた。1回戦は九回裏まで同点でもつれ込んだが、サヨナラのアーチを浴びて敗戦。2回戦は中盤に引き離され完封負けを喫した。今秋の東大の最終成績は1勝10敗1分だった。(取材・松崎文香、清水央太郎)

 

1回戦 八回まで同点で粘るもサヨナラ負け

 

東大|001000000|1

法大|100000001x|2

 

 初回裏、先発の井澤駿介(農・4年)が先頭打者に右二塁打を許すと、続く2番西村に送られ、いきなり1死三塁のピンチに。ここで4番今泉に中犠飛を許し、1点を追う形でのスタートとなった。

 

 三回表、先頭のバッターボックスに立ったのは今年躍動を見せる浦田晃佑(経・4年)。甘く入った変化球を振り抜くと、打球はぐんぐん伸びレフトスタンドへ。浦田のリーグ戦初本塁打で1点を返す。投手の井澤もテンポ良く三回、四回を三者凡退に抑えた。しかし五回裏、2本の安打で2死一・三塁のピンチを招くと、井手峻監督がタイムをかけマウンドへ。激励された井澤はそのまま続投し、井手監督の期待に応え無失点でこの回を切り抜けた。

 

 その後も投手らの好投により、無失点が続く。八回には井澤に代わり、次世代エースの呼び声が高い松岡由機(経・3年)が登板。法大のピンチヒッター・平原から空振り三振を取り、後続も凡退に打ち取る。

 

 1─1のまま突入した九回表、先頭の宮﨑湧(育・4年)が中前打で出塁を果たす。続く阿久津怜生(経・4年)が犠打を試みるが失敗。東大の走力を恐れてか、法大は盗塁を防ぐため左腕投手に交代し、徹底抗戦の構えを見せる。なんとか得点に結び付けたい東大は、代走に伊藤翔吾(文・4年)を送り込むと、伊藤は果敢に盗塁を仕掛ける。しかし法大捕手に刺されチャンスを生かせず、得点を取れないまま攻守交代となった。

 

 九回裏、この回もマウンドに上った松岡由は簡単に1死を取る。先頭を打ち取った勢いのまま、続く6番内海に対し投じた2球目。直球がインコースに甘く入ると、これを完璧に捉えられ、まさかのサヨナラの本塁打を浴びてしまった。

 

右翼スタンドを見つめる主将・松岡泰(撮影・安部道裕)

 

 勝ち点を獲得すれば最下位脱出を果たせただけに、悔しい1敗となった。

 

2回戦 ミス重なり九回裏に粘るも完封負け

 

法大|011300000|5
東大|000000000|0

 

 負ければ4年生は引退となる大切な試合。先発を託されたのは、最高学年になって以降思い通りのピッチングができていない西山慧(工・4年)だった。その西山は、この日は最高の立ち上がりを披露。中堅手・別府洸太朗(育・3年)が2度にわたり好守備を見せるなど、この日にかける強い思いがバックからも伝わる。

 

 西山は二回に本塁打で、三回にも失策が絡んで1点ずつ失うが試合はつくってみせる。打線も得点にはつなげられないものの、序盤から塁上に走者をためていく。

 

 ところが四回表、主将・松岡泰希(育・4年)がこの日二つ目の失策をし、ピンチを広げてしまう。続く打者をなんでもない中飛に打ち取ったかに思えたが、別府と阿久津が交錯しまさかの落球。さらにその後2点適時打を許すなど、これ以上の失点が許されない大事なイニングで自滅してしまった。

 

 その後は両チームとも膠着(こうちゃく)した展開が続く。そんな中迎えた最終回、前日先発したエース井澤がリリーフ登板し、法大打線を3人でピシャリ。ベンチも観客も、3年間チームのためにフル稼働したエースを拍手で迎え、チームの一体感は最高潮に。4年生を引退させないためのラスト1イニングが幕を開ける。

 

最終回のマウンドを任されたのは、3年間にわたってエースとしてチームを支えた井澤だった(撮影・清水央太郎)

 

 5点を追うこの局面で、井手監督は4年生を次々と代打で投入。誰しもが安打を狙いたい場面でも、4年生たちは冷静に見極め、つなぎを徹底する。こうして演出した2死満塁の好機で打席に立つのは中井徹哉(農・4年)。一矢報いたい場面だったが、打ち上げた打球は力なく、法大左翼手のグラブに収まりゲームセット。4年生たちの長い戦いに幕が降ろされた。

 

松岡主将のコメント

 まずは、秋季リーグ戦応援ありがございました。結果としては最下位脱出ならず、非常に悔しい気持ちであるとともに、申し訳ない気持ちでいっぱいです。接戦を勝ち切れないことが多く、東大野球部として弱さを痛感しました。ただ、接戦に持ち込めているということもまた事実です。大敗から接戦へ。接戦から勝利へ。確実にレベルアップはしていると思います。来年以降、必ずや最下位脱出を成し遂げますので、今後とも東大野球部への応援をよろしくお願いします。

 

井手監督のコメント

 慶應に1勝、明治との引き分けをで1勝10敗1分です。なんとか勝ち点獲得、最下位脱出を期してシーズンに臨みましたが、願いはかないませんでした。リーグ戦で勝ち星を重ねるには投手を中心とした守りで粘るしかないのですが、失策数が2桁で、他校の1桁に負けています。卒業する井澤ら4年生投手の後継者をつくり上げると同時に、守備力をアップさせて来春のリーグ戦に臨みます。

 

【記事修正】2022年11月23日午後6時45分 2回戦の得点表を追記しました。

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