COLUMN 2020年4月23日

韓国への留学延期―新型コロナウイルスによる大学生への影響

 新型コロナウイルスの世界的な流行は、東大の学生の海外渡航にも深刻な影響を及ぼしている。春休みの旅行や留学と、海外への渡航の予定の変更を強いられた東大生は多いはず。

 

 以下に記されたのは、韓国・ソウル大学への留学を急きょ延期した編集部員の体験記である。


 「今行ってもすぐに帰ってきてもらうことになるかもしれないから渡航の延期を検討してほしい」という連絡を受けたのは3月6日。海外旅行保険の解約手続きをしたと聞いたため、今学期留学できないだろうということは想像できた。すでに2回も出発日を変更していた。

 

 キャンパスアジアプログラムでのソウル大学留学が決まった昨年11月から、今年3月の開講予定日に向けて寄宿舎の申請・健康診断・VISA申請などの準備を進めていた。寄宿舎の場合割り当てられる部屋が決まってから郵送による書類提出の期限までが短く、VISAに関しては領事館の受付時間が短かったため、他の予定をキャンセルしながら進めるほかなかったぐらいだ。2月中旬に寄宿舎の申請をしたとき、ダイヤモンド・プリンセス号の件で困惑していた日本と比べても、韓国での確診者数はそれほど多くはなかったため問題なく渡航できると思っていた。

 

 計画を変更せざるを得なくなったのは、2月20日にあるメールが来てからだ。韓国語の授業のクラス分けテストを、当初予定されていた対面形式から電話形式へと変更するという。そのためテスト予定日だった2月26日に現地にいる必要がなくなり、開講日前日の3月3日へと出発日を変更した。その後2日に1回ほどの頻度で予定変更のメールが届き、結局先述の韓国語の授業の取り消しと開講日の延期を知った。それに伴い出発をさらに遅らせ3月8日とすることに。

 

 そして、いよいよ出発かと思い荷物の最終確認をしていた3月6日、渡航を延期するようにと東大側から連絡を受けた。すでに外務省から出ていた危険度がレベル2(不要不急の渡航はやめてください)より下がらなければ数日中に東大から正式に渡航中止を求める告知が出るだろうというのだ。仮に東大からの留学が認められたとしても、ソウル大学が寄宿舎を封鎖した場合(日本に帰国しても2週間の隔離が決まっていたため)居場所がなくなるという問題もあったため、数日様子をみたほうがいいとも言われた。

 

 その日の夜だった。韓国政府が日本政府への「対抗措置」として、すでに日本に対して発給していたVISAを9日から無効化すると発表したのだ。苦労して取得したVISAがただのシールと化し、唖然とするしかなかった。

 

 3月16日に正式な渡航中止のメールが届いた。今回の留学に関しては次のセメスター分に振り替えてもらえるという。数日後留学届けを取り下げ、そして4月1日に後期課程用の学生証を受け取り、何事もなかったかのように3年生のSセメスターが始まった。

 

 準備した荷物のほとんどが今もスーツケースの中にある。

(養・3年)

 

あまりに唐突な留学中止 米国からの緊急帰国体験記

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