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2023年4月22日

2023春の新歓活動を振り返る ポスト・コロナに向け変化

 

 新型コロナウイルスの流行開始から4年目。オリ諸行事は2020年度から中止・規模縮小での開催が目立っていたが、今年はほとんどの行事が感染対策を継続しつつも新型コロナウイルスの制約を受けずに実施された。特に、昨年は日帰りのみに限定されていた「オリ旅行」は、1泊2日で実施するコロナ禍以前の形態「オリ合宿」か昨年同様の「オリ旅行」かをオリター(上級生)がクラスごとに選択できる形式を導入。テント列も、昨年の「諸手続後新歓活動」に引き続き、屋内にもサークルを分散しつつも、感染対策を緩和して実施された。コロナ禍を経て新たな形態で実施された二つの行事の様子はどうだったか。3月 31、4月1日(理科)と4月2、3日(文科)にそれぞれ行われたオリ合宿・オリ旅行、3月28(理科)、29日(文科)に行われたテント列について、昨年との比較と新入生の受け止め方を伝える。(構成・金井貴広、石川結衣、清水央太郎、取材・本田舞花、高橋柚帆、松本雄大)

 

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オリ合宿/オリ旅行 宿泊「不安」だったがクラス仲深まる

 

 「オリ合宿」「オリ旅行」は「上クラ」(前年度入学の同じ名前のクラス)が「下クラ」を引率する、首都圏が行き先の合宿または旅行。行き先やスケジュールは事前に上クラが決定する。「オリ合宿」「オリ旅行」を管轄する教養学部オリエンテーション委員会は、「オリ合宿」では、経済的負担の削減を図り、宿泊施設の基準を定めて性的マイノリティーへの配慮をするなどの対策を求め、「オリ旅行」でも、アクティビティーを入れることで指摘されている交流の質の低下を抑制するよう対策を呼び掛けた。

 

山中湖でほうとう作り体験
山中湖でほうとう作り体験

 

 東京大学新聞社は、オリ合宿・オリ旅行に参加した上クラ・下クラに、工夫した点や交流できた度合いについて感想を聞いた。

 

オリ合宿

 

【上クラ】

 

・オリ委員会が宿泊を伴う合宿を許可する方向で進めていたので、特に合宿・旅行それぞれの利点を考えずに秋ごろには宿の予約を済ましていた。

 

・昨年度は日帰りの旅行で、当日一緒の班の人としか交流できなかったが、合宿にしたことでレクや宿泊を通していろいろな人と交流ができたので良かった。

 

【下クラ】

 

・ほぼ初対面の人たちとの宿泊は不安だったが、いろいろな人と仲良くなれて良かった。顔と名前も一致した。日帰りの旅行だと話す機会が減ってしまうので合宿で良かった。

 

・一人暮らしを始めたため、宿泊用品を実家から取り寄せたり買いに行ったりして準備が大変だった。個人的に合宿を計画するよりも安く行けるので経済的な面でも特に不満はなく、それ以上に楽しかったので満足。

 

オリ旅行

 

【上クラ】

 

・上クラの間で注意事項や旅行の行程をしっかり共有したことで、問題なくオリ旅行を終えることができた。やや緊張していた下クラも、最後は笑顔で楽しそうにしていたので、クラスの交流イベントを上クラ中心で計画してあげることは大切だと思った。

 

【下クラ】

 

・ほぼ初対面の人との旅行で不安もあったが、一緒に食事をとり、おしゃべりをして仲を深めることができ、思い出になった。移動時間が長かったが、上クラからサークルや履修の話を聞いたり、同じ班の人と交流できたりしたので、あまり気にならなかった。

 

テント列 コロナ禍経た風物詩 人数増え活気戻る

 

 「テント列」とは、例年3月下旬に新入生入学諸手続を終えたばかりの新入生たちを1人でも多く獲得するべく、サークル・運動部などの各団体がテントを出し、活動内容紹介や新歓イベントの周知を試みる行事だ。「テント列」の名称で行われるのは4年ぶり。

 

各団体がテント前で新入生にアピール
各団体がテント前で新入生にアピール

 

 昨年度からの大きな変更点として、テント外での新歓の許可と1団体当たりの参加可能人数上限の2人から5人への引き上げ、学外者の参加活動が許可されたことが挙げられる。昨年に引き続き、新入生の勧誘活動に臨んだ3年生は「昨年よりもテント列に参加している企画構成員の数が多かったためか、にぎわっていた。授業開始前のお祭り的なイベントとして『大学に入った』という実感が湧く場なのではないかと思う」と現地をレポートした。都内の他大学に通いながら、東大のインカレサークルに所属する2年生も「(東大は)自分の大学に比べると学生数は少ないが、それを感じさせないほど活気に満ちあふれていたように思う」と、昨年度は勧誘「される」側だった2年生もそのにぎわいっぷりを強調。新入生は「比較的落ち着いた雰囲気の屋内では興味のあるサークルを発見できたが、屋外はあらゆる方向から声を掛けられるので話を聞くことは難しかった」とコメントした。テント列では多くの団体が自らをPRするビラを配布するが「想定よりも多くのビラを配布することができ、危うくストックがなくなるところだった」(経・3年)とのうれしい悲鳴も聞かれた。

 


 

 コロナ禍が終焉に向かい始め、春の風物詩が形を変えつつ戻ってきた駒場。一方でオリ諸行事中の「可能な限りのマスク着用」やテント列での飲食物の提供禁止など、一部の感染対策は継続された。来年こそ学生のエネルギーが満開に発揮できるようになることが期待される。

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