COLUMN 2019年3月20日

2020年卒東大生の就職内定率、はや4割 就活時期の前倒し進む

 東京大学新聞社では、2020年3月卒業見込みの学部生を対象に今年3月1日時点での進路意向を調査した。その結果、就職を希望する学生のうち約4割がすでに企業から内定を得ていることが分かった。内定につながる選考を受けた学生の割合は約6割に上っており、日本経済団体連合会(経団連)の定める就職活動解禁日の時点で選考が進んでいる実態が改めて示された。

(構成・衛藤健、石井達也)

 

就職活動解禁日となる3月1日に本郷キャンパスで行われた合同会社説明会には、多くの学生が訪れた(写真は東京大学キャリアサポート室提供)

 

内定付与について

 民間企業への就職を希望する学生のうち既に内定を得ている割合は42.0%で、さらに全体の17.0%が「すでに就職活動を終えた」と回答。就職活動を継続して行っている学生の83.1%も、経団連が選考開始として定める6月には就職活動を終えるとした。

 

 最初に内定を得た時期として最も多かったのは2019年1〜2月(43.2%)、次いで2018年10〜12月(35.1%)で、それに2018年8月〜9月(13.5%)が続く。2018年7月以前に内定を得た学生も8.1%いた。

 

 コンサルティング・シンクタンク業界の企業からは日系・外資系企業共に多くの学生が内定を付与されており、その割合は内定を得た学生のうち7割を超える。内定付与が最も多かったのは2018年10〜12月で40.7%の割合。その他の時期は29.6%(2019年1〜2月)、18.5%(2018年8〜9月)、11.1%(2018年7月以前)の割合だった。

 

 コンサルティング・シンクタンク業界に次いで、日系企業を中心とするIT・通信業界(約4割)、マスコミ・広告業界(2割弱)から内定を付与された学生が多い。学生からの人気が高い不動産・建設業界やインフラ・交通業界の企業から内定を付与された学生はほとんどいなかった。

 

 

 内定社数の平均は2.1社、中央値は2社だった。

 

 内定を得ていない学生も含む民間企業就職希望者のうち内定につながる選考を受けた割合は64.8%で、多くの企業ですでに選考が進んでいる実態が示された。

 

就職活動の進め方について

 内定をまだ得ていない学生も含め、就職活動の進め方についても調査を行った。

 

 希望する業界を聞くと(複数回答可)、コンサルティング・シンクタンクが39.8%でトップ。これに金融・証券(30.7%)、商社(28.4%)、不動産・建設(26.1%)が続いている。

 

 

 インターンシップや本選考へのエントリーを開始した時期は3年時のSセメスター(2018年4〜7月)が最も多く50.0%、次いで同年時夏休み(2018年8〜9月)が20.5%。2年時以前に就職活動を開始した学生も10.2%おり、民間企業就職希望者のおよそ8割が大学3年時の夏休み以前に就職活動をスタートしていたことが分かった。

 

 就職活動の開始時期が早いほど3月1日時点で内定を得ている割合が高い傾向も見えた。3年時のSセメスター以前に開始した学生はそのうち半数以上がすでに内定を得ているのに対し、夏休み以降に開始した学生の内定率は22.9%にとどまっている。

 

 近年就職活動の一環として広がりを見せるインターンシップに関しても調査を行った。

 

 昨年の夏〜冬に行われたインターンシップへの参加社数は平均3.8社、中央値3社で、今年春に行われたインターンシップへの参加社数は平均1.0社、中央値は0社だった。

 

 さらに、すでに内定を得ている学生とまだ内定を得ていない学生のそれぞれで夏〜冬に行われたインターンシップへの参加社数を見ると、それぞれ5.6社と2.5社で、3月1日時点で内定を得ている学生の方が積極的にインターンシップへの参加を行っていたことが分かった。内定を得ている学生のうち89.2%が「インターンシップは選考につながっていたと思う」と答えており、インターンシップの広がりに伴って就職活動全体が早まっている可能性が高い。

 就活情報サイト「キャリタス就活」を運営するディスコの調査によると、大学生全体の3月1日時点での内定率は13.9%、就職活動を終了したのは全体の1.4%(内定取得者の10.4%)で、東大生の就職活動が一般的な大学生よりも早いことが浮き彫りとなった形だ。

 

大学院・公務員希望者の動向

 調査では大学院進学希望者、公務員希望者も対象にした。

 

 大学院進学希望者の多くは現在所属する学部の大学院への進学を希望していた一方、現在所属する学部ではない東大の大学院、あるいは海外の大学院への進学を希望する学生がそれぞれ一定数いた。並行して就職活動を行っている人は大学院進学希望者全体の11.4%だった。

 

 公務員希望者について見るとほぼ全員が国家公務員志望だったものの、都道府県の地方公務員志望者もわずかながらいた。国家公務員志望者のうち昨年秋の教養区分を受験した人は88.2%だった。

 

 公務員希望者のうち民間企業への就職活動を並行して行っている人は76.5%で、その開始時期は2018年4〜7月、8〜9月、10月〜19年1月、2〜3月の各時期でそれぞれ2〜3割となっており、民間企業就職希望者よりは遅い傾向だった。

 

調査の概要

 2020年3月に東大の学部を卒業する学生を対象に、就職活動の状況を中心とする2020年4月以降の進路意向についてインターネット上で調査を行った。回答総数130、有効回答124。調査期間は3月1〜8日。

 

◯業界の分け方

コンサルティング・シンクタンク、金融・証券、商社、IT・通信、不動産・建設、マスコミ・広告、インフラ・交通、メーカー、流通・小売、サービス、人材・教育

 

キーワード:就職活動に関するルール

 企業の採用活動について定めた自主規制で、説明会の開始を(大学3年時)3月、面接などの選考開始を(大学4年時)6月とする。日本の大手企業1300社以上が加盟する経団連が主導し、2017年入社対象者から現行の日程になっていた。一方で経団連非加盟企業を中心に時期の前倒しが進んでおり、ルールの形骸化が指摘されている。2021年入社対象者からは経団連主導のルールは廃止され、政府が主導する形に変わる見込み。

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