文化

2023年3月21日

【ひとこまの世界】美術と文学に触れるぶらり旅 駒場文化散歩

 

 

 徐々に日差しは暖かくなり、春の訪れを感じさせる今日この頃。駒場近辺を散歩してはどうだろうか。素敵な文学や美術に出会えるかもしれない。

 

15:10 駒場東大前駅西口から出発。なだらかな坂を上る。

 

 

 2分ほど歩くと、道順案内の標識があった。目的地の一つ、文壇カフェこと「BUNDAN COFFEE & BEER」の近くには日本民藝館もあるようだ。美しい工芸品の展示が多くあると聞いたことがある。時間があったら、後で行ってみよう。

 

 

15:25 駒場公園に到着。

 

 東門から入り、少し進んで右に曲がる。文壇カフェは、近代文学館の中にある。カフェで休んだ後、文学館の展示を見るのもよさそうだ。

 

 

 

15:30 文壇カフェに到着。

 

 天井まで届く高い本棚が印象的だ。全てが閲覧可能で本好きにとっては理想の本棚である。

 

 

 

 文壇カフェは、文豪や文学作品をモチーフとした食事や飲み物を提供している。食事メニューを見ると「シャーロック・ホームズのビールのスープとサーモンパイ」など、文学好きには堪らない作品をモチーフとしたものが多い。記者は悩んだ末、「シェイクスピアのスコーン」と「寺田寅彦の牛乳コーヒー」を注文した。スコーンは6種類のトッピングから、2種類を選ぶことができる。ハニーナッツとマロンクリームを頼んだ。

 

 

 スコーンは大きく、焼きたてである。温かい牛乳コーヒーを飲むと、体が芯から温まった。かばんから発掘した読みかけの本を片手に優雅なティータイムを楽しむ。

 

16:05 のんびり読書をしていたら、あっという間に30分以上経ってしまった。

 

 文学に包まれた最高のひとときの余韻に浸りつつ、会計を済ませた。次に来たら何を頼もう。何の本を読もう。寄ろうと思っていた近代文学館は午後4時最終受付だったため、泣く泣く諦め外へ出て、日本民藝館へ向かう。

 

16:12 日本民藝館に到着。

 

 和風建築でありながら、洋風の雰囲気もあり、魅力的な建物だ。日本民藝館は、「民藝運動の父」と呼ばれる日本の思想家・柳宗悦を中心に1936年に設立された博物館らしい。

 

 

 4月2日まで「柚木沙弥郎展」が行われており、館内は美しい染色品で彩られている。

 

2階から見た日本民藝館の階段

 

 

 館内には、陶磁や染物、朝鮮工芸、江戸時代の人形やおもちゃなど、実にさまざまな工芸品が展示されている。江戸時代の貝合わせや人形が展示されている部屋はどの展示物も非常にかわいらしかった。

 

日本民藝館2階の廊下

 

16:40 民藝館を去る。

 

 ミュージアムショップでは民藝に関するさまざまな本が販売されており、『木喰(もくじき)上人』(講談社)を購入した。江戸後期の遊行(ゆぎょう)僧の足跡を柳宗悦が調査した記録である。来週はこの本を読もう。

 

 

 駒場Iキャンパスから徒歩数分のところに、こんなにも魅力的なカフェや美術館がある。90分の空きこまに、ぜひ「駒場文化散歩」をしてみてほしい。少し散歩するだけでも思わぬ「文化」との出会いがあるかもしれない。【舞】

 

 

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